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ターコイズ
コレクターは、財宝を手に取った瞬間、背後から不気味な音が響いてくるのを感じた。彼は振り返ると、目の前に現れたのは、背の高い男――全身に黒いローブをまとい、鋭い目で彼らを睨みつける謎の**教授**だった。
「君たちがここにたどり着くとは思わなかったよ」と教授は低く笑いながら言った。「だが、これで終わりだ。ターコイズの力を持つ者以外、この財宝には触れられない」
教授の手には、淡く輝く**ターコイズ**の石が握られていた。その石は、古代の力を封じ込めたと言われており、財宝を真に支配するための鍵でもあった。
「その石は…!」亜子が驚いた表情で呟いた。
「その通り。これこそが、ナーガを制御する真の力。そして、お前たちはここで終わる運命だ」教授は冷酷に言い放つと、数珠のような形をした古代の武器を取り出した。それを振り回し、コレクターたちに向けて投げつけた。
コレクターは瞬時に反応し、ズッキーニのような太さのロープを掴み、教授の攻撃をかわしながら回避した。しかし、教授の力は強大で、遺跡全体が揺れ始める。
「このままでは勝てない!」亜子が叫んだ。
だが、コレクターは冷静だった。彼はすぐに教授に向かって突進し、思い切り**頭突き**を食らわせた。その衝撃に教授は一瞬よろめき、手に持っていたターコイズの石が宙を舞った。
「今だ!」コレクターは叫び、亜子に向かって手を伸ばした。
亜子はすぐさま魔法を唱え、教授の周囲に結界を張った。その隙に、コレクターは落ちたターコイズの石を拾い上げ、すぐに財宝の台座に差し込んだ。
すると、遺跡全体が青白く光り始め、地面が揺れ出した。財宝を守る力が暴走し、遺跡は崩壊寸前だった。
「急げ!遺跡が崩れる!」コレクターは亜子を引っ張り、出口に向かって走った。
一方、教授は崩れゆく遺跡の中で立ち尽くし、自らの敗北を悟ったように静かに笑った。
「お前たちに未来があるかどうか…見届けてやるさ…」教授の言葉が遺跡の崩れる音にかき消されていった。
コレクターと亜子は、遺跡から辛うじて脱出し、船の上に駆け込んだ。背後で遺跡が完全に崩れ落ち、彼らの冒険は終わりを迎えたかのように見えた。
しかし、彼らが船を離れる前、船の甲板にポツンと落ちていたのは、教授が持っていたターコイズの石だった。
「まだ、終わってないかもしれないな…」コレクターはそれを拾い上げ、未来の新たな冒険を予感させるように遠くの海を見つめた。
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