世界を救う万の方法

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 ***  案の定である。  討伐完了を支部へ報告した後、メンバーだけが集まるロッカールームで唐突にナツメが言い出したのだ。 「相変わらず、甘ったるいことしか言わないんだな、シャルロッテは」 「!」  リーダーを呼び捨てにする人間など、彼女くらいなものだ。ロッカールームで着替える前に少し休んでいた私達の間に緊張が走った。ああまた始まった、と。 「今日のオオトカゲ討伐。まさか完全勝利だ、反省するべき点が一つもないとでも思ってるんじゃないだろうな」 「ナツメ、それは……」 「まず俺が物申したいのはお前だぞ、シャルロッテ。キコの準備が遅れた時、それを何故上に報告しなかった?人間突然の体調不良や不備はある。キコが突然生理になって処理に手間取ったからといって、こっそり“任務開始時間に間に合った”かのような報告をするのはどうなんだ。そうやって嘘の報告を重ねれば、最終的にデータに信憑性がなくなり、作戦立案課が作戦を立てられなくなる。それくらいのことはわかれ」 「う……」  シャルロッテは思わず言葉に詰まった。その隣で、キコが恥ずかしそうに眼を伏せる。  そう、実は今日の作戦は開始予定時間がかなり遅れてしまったのだ。というのもメンバーの一人であるキコが突然生理になってしまうというトラブルがあったからである。着替える時にそれに気づいてバタバタしてしまったのだった。  女の子のトラブルだから、そのまま上に報告するのは恥ずかしく、そのためシャルロッテが出撃時間を誤魔化してくれたのである。予定通り任務を始められた振りをしてくれたのだ。自分達の任務は、ワープホールを使って現地に到着した時、到着時にリーダーが“タイムカード”のボタンを押すことで任務開始とみなされる。ワープホールに入る前にこっそりボタンを押してしまっても、任務完了時間が極端に押さない限りはバレる心配もないのである。 「キコ、生理不順ならちゃんと医者に診てもらえ。お前は生理痛は大したことないタイプなんだろ?出血だけが問題なら仕事の日はずっと生理用品を身に着けっぱなしにするというのも対策だ、気をつけろ」 「は、はい……」 「それから、ユナ」  
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