プロローグ

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プロローグ

夜の風が、窓の外で静かに囁く。冷たい空気が部屋に入り込むたびに、彼の笑顔を思い出す。薄暗い照明の下、机に置かれた写真立ての中には、彼と一緒に過ごした日々の一瞬が閉じ込められている。彼の隣で笑う自分が、どこか懐かしく、そして痛々しい。 「本当はずっと一緒にいたいんだ…」心のなかで、そう思った....。 本当のことなんて言えるはずがない。これが結論だった....。 「もう会えないかもしれない。だから別れよう。」手短にそう伝えた。 そうしなきゃいけなかったんだ。心のなかで、そうつぶやいた....。 心のなかでは「ずっと一緒にいたいのに」と思ってる自分もいる....。 遠距離恋愛?になっても良かった....でも、そうしないのは単純に浮気されるのが怖かったから...。彼を「信頼」してないわけじゃない。 しかも、彼は浮気するようなじゃないのは分かる。 私の心には深くこびりついた消しても消しても残り続ける「思い出」がある。 その当時、付き合っていた彼氏がいて、何気ない生活を送っていた。 数ヶ月後の記念日に彼氏は浮気をしていたことが分かった。その時に、「ちょっと魔が差しただけ...」って言われたことがある。 だからいくら信頼してる人と知っていても、その時と同じになりそうで怖かった。このことは知っている彼だけど....きっと気づいてるんだろうな....。と思う。 そういうところに惹かれたんだ。離したくないけど、仕方ない......。 別れを告げた私が言うのはきっとダメなんだろうけど... 言わせてほしいよ......もう一度会いたいって...... またいつか再会出来ますように.....そう思いながら地元を離れた......。
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