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4話 26歳
26歳
楓は、別居中だったが好きな人が出来ていた。
彼は6歳年下の会社の仕入先の人…
毎日、配達に来る時に喋っていたら、いつの間にか好きになっていた。
会社でも会えば話をして…
週末になると子供をお父さんに見て貰って会っていた。
楽しくて充実した日々を送っていた。
そんな時…
中学の仲間で集まることになった。
そこには、剣もいた…
私達は、みんなで集まる時にも、いつも隣に座る。
周りの友達も、なんとなく公認していた。
楓はいつも通り、剣の横に座った…
「久しぶりー、元気?」
「元気よ、楓は?」
「元気だよ」
それから何気ない会話が続いた…
「そういえば、彼女出来たって聞いたよ」
「うん」
「うまくいってるの?」
「そうだね」
楓は思い切って言ってみた。
「前に、会おうって言ったでしょ、あれ告白しようと思ったんだよ」
剣は驚いていたけど…
「そうだったんだ。知らなかった」
「気持ちだけ伝えったかったんだ…」
「そうか…ごめんね」
「あの時は結構ショックだったけど…いいよ。でもずっと友達でいてね」
「うん、こちらこそ。年をとっても友達でいよう」
「お婆ちゃんとお爺ちゃんになっても友達でいてね」
「おう」
安心した楓は、席を移動した。
楓は、吹っ切れていた…
剣はやっぱり、私にとっては特別な人…
ずっと友達だけど…
それでもいいと思った。
これからまた、お互いにどんな人生になるのか分からないけど…
今は、この関係を大切にしよう…
私達は、そう思える関係になったんだね。
それから楓は、付き合った彼に振られた…
苦しかったけど…
こればかりは仕方ない…
暫くは辛かったけど、吹っ切るしかなかった…
周りの友達に支えられながら…
日々…過ぎていった。
翌年、楓は話し合いを重ねて旦那とよりを戻した。
子供のためにというのが大きかった…
剣は、彼女と結婚した。
結婚式もして、幸せそうだったよと祥子から聞いた…
私が振っておいて言うのも何だけど…
剣には幸せになって欲しい…
同級生だから、会うことも多い…
それが楽しい時も辛い時もある。
それでも会いたいと思う。
この気持ちは何なのかな…
楓は、複雑だったけど…
本当に、幸せになって欲しいと思っていた。
そう思いながら生活に追われ…
月日は勝手に流れていく…
私と剣の人生は…
もう二度と交わることはないのかな…
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