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俺は自宅マンションに到着すると、オートロックを解除し、エレベーターに乗った。 「早く乗れよ。」 「うん。」 俺に促され、ケイトもエレベーターに乗った。 「いい所に住んでるんだね。」 「だとしても、金は持ってないぞ。」 「ふふっ、俺がヒモにして?って言うとでも思った?」 ケイトが本気か冗談か分からない笑みを浮かべた。 思い返せば、出会った時からそうだった。 彼はどこか危うい。 だから、俺は彼を放っておけないのかもしれない。 俺の自己満な正義感に過ぎないが。 俺は玄関の鍵を開けると、ケイトを部屋へ招き入れた。 「お邪魔します。」 「荷物はとりあえず、そこ置いて。」 俺は部屋の入口で突っ立っているケイトに言った。 「ね、さとしさんの謹慎はいつとけるの?」 「さぁ。とければいいが、このまま、刑事に戻れなかったりして。そんなことより、片付けるぞ。」 「何冷静に言ってるのさ!俺のせいじゃん。」 「なんでケイトが怒るんだよ。」 「だって……」 ケイトは俺の手を掴んだ。 「ケイトはなんでそんなに必死なんだ?自分のことでもないのに。」 「それは、さとしさんが……」 「ん?」 「だから、心配なんだよ。」 「ケイトに心配されたら世も末だな。」 「もう……さとしさんの鈍感。」 「さっきからどうした?」 「どうもしてない。寝る!」 「ならせめて、シャワーを浴びろ。」 俺はケイトにバスタオルを投げた。 「バスルームは突き当たりを右だ。」 「分かった。」 そういうとケイトはその場を去った。
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