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部屋に1人になった俺は、煙草に火をつけた。
ふとした瞬間、さっきの寂しそうなケイトの顔が脳裏にチラつく。
俺も言い過ぎたかもしれない。
ケイトのことを全て信用した訳ではないが、俺のことを案ずる様子に嘘はなかった。
その時、バスルームからバスタオルを巻いたケイトが気まずそうに出てきた。
「さっきはごめんなさい。俺、お節介だったよね。」
「いや、俺も言い過ぎた。ケイトは俺のことを心配してくれたのに。すまない。だから、こっち来いよ。離れてないで。」
「俺たち仲直り?」
「ああ。」
俺が言うと、ケイトは笑顔で俺の胸に飛び込んだ。
「おい、服が濡れる。髪をちゃんと拭いたのか?」
俺はケイトの身体に巻いてあるバスタオルを剥ぎ取ると、優しく髪を拭いた。
「ね//服、着たい///」
「髪を拭いてからな。」
「うん///」
ケイトの髪は綺麗な銀色をしている。
触り心地がとてもいい。
「俺、さとしさんの為ならなんでもするから。」
「うん。」
「あなたに信じてもらえるように。」
ケイトが真剣な目で俺を見つめた。
俺は彼の頬にそっと触れた。
「まず、服を着ろ。話はそれからだ。」
「え、キスしてくれないの?」
「んはっ、しないよ。」
「さとしさんの意地悪//」
頬を真っ赤に染めたケイトが愛おしかった。
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