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「はぁ...はぁ...」
俺はベッドに大の字になり、息を整えた。
「今日も最高だったよ。さとしさん。」
「ケイトは俺のものを絞り出す気か。」
「そうだよ、わるい?俺以外の男とセックスできないように。」
「何言ってるんだ。自分はしてる癖に。」
俺は起き上がり、煙草に火をつけた。
俺とケイトはいわゆる、セフレだ。
数ヶ月前、たまたまバーで出会い、意気投合して、今に至る。
セックスは月に4~5回程度。
決まって、このホテルでだ。
俺たちはお互いの本名も年齢も職業も知らない。
でもそれでいい。
深入りしたら、破滅するだけ。
「俺だって、さとしさん以外としてないもん。」
「ほんとか?」
俺はケイトの目を見つめた。
「うう...1回、いや、2回。でも、2回だけ!」
「そうか、そうか。」
「信じてないでしょ。」
「そんなことより、寝るぞ。俺、朝から仕事だから。」
「今夜も一緒に寝てくれるの?」
「ああ。いいよ。」
「やった!ありがとう、さとしさん。」
すると、ケイトは俺に抱きついた。
素性も知らない男と一夜を共にする。
俺もどうかしている。
「寝ないの?」
「寝るよ。」
俺はスマートフォンの時計を確認した。
時刻は2:00になろうとしていた。
これは明日も寝不足だ。
「おやすみ、ケイト。」
俺は彼を抱きしめながら、目を閉じた。
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