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3
「お邪魔しまーす。って、この状態は?」
「最近、仕事が忙しくて掃除が出来なかったんだよ。」
俺は、床に散乱している服を洗濯機に突っ込み、雑誌は部屋の隅に避けて、ひとまず、大人2人が座れるスペースを確保した。
「明日は俺が大掃除しておくよ。洗濯も任せて。」
「ありがとう。」
「でも意外だったな。」
「ん?」
俺はケイトに聞き返した。
「さとしさんは、もっと、几帳面な人だと思ってた。」
「むしろ、逆だな。」
「家具はモノトーンで統一されてるイメージ。」
「ないない。使えればおっけ。家には寝に帰ってくるようなもんだから。」
「自炊は?」
「しない。」
俺は即答した。
「顔はいいのに、家事能力はゼロなんだね。」
「顔はいいってなんだよ。」
「褒めてるんだよ。」
「褒められてる気がしないのはなんでだ?」
「じゃあ、他に得意なことは?」
「記憶力はいい方だと思う。」
「うんうん。」
「だから、1度見た顔は忘れない。」
そう言いながら、俺はケイトの頬にそっと触れた。
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