なんにも変わらなかった

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なんにも変わらなかった

 翌日が休日で助かった。学校だったら、気まずい思いをするところだった。なんて、延長しているだけです。はい。  祖母と母は通院に出ていて、父も仕事だ。あえて時間を遅らせて起きており、誰とも顔を合わせていない。  我が家は、休日の朝食を各自で用意する。  とはいえ、常に食パンが食料棚に放り込んであるから困らない――はずが、パンはなかった。  えぇ、と呟きつつ冷蔵庫を開ける。一番に目に入ったのは、緑のぶどうだった。綺麗に洗われ、枝から粒が外してある。  手早く食べられることと、準備の面倒さがぶどうに手を伸ばさせる。だが、やっぱりどうしてか拒否したくて引っ込めた。  お腹は空きそうだけど、自分のお菓子で終わらせちゃえ。手軽な方法を見つけ、リビングに背を向ける。  ふと、祖母の部屋の入口に、隙間を見つけた。母が付きっきりになってから、部屋自体まったく活躍していなかったのに。  気になって足が向く。しかし、祖母アレルギーでも発症したのか、踏み出せなかった。  結局は自室に戻り、作業のようにお菓子を食べた。
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