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扉を開けると、欲しかったものがあった。
「ごめんね……遅れちゃって」
「さっき、コンビニで会って、色々みんなで買ってたんだ」
「今からでも大丈夫?」
私は、嬉しかった。みんなの言葉が嘘だと分かっていた。それでも、来てくれたことが嬉しかった。
一人にならずに済むということは、それだけ大事なことだった。
みんなは、同じ匂いを漂わせていた。
私は、それに気づかなかった振りをするしかなかった。一人になりたくなかったから。
「気を遣わせっちゃてごめん。全然待ってないよ。部屋散らかってて、ちょうど終わったところだったから。ナイスタイミング」
「そうでしょ」
「そんなことだろうなって思ったから、コンビニ寄ってきたんだよ」
「いつも、色々用意してもらうばっかりだし。日持ちするの選んできたから」
「ありがとう。狭いところだけど、入って」
そう言って家にいれた。
部屋には、好きでもないスナック菓子が溜まっていた。
これも、集めたんじゃない。ただ、集まってしまっただけだった。
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