<3・電子。>

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↓ ●曇天 @D2hQjk8P76aXz  返信先: @ayamori_kenken 言われてみればそうかもしれませんね!流行にあんまり流されないジャンルかも?まあ広義の意味では不倫サスペンスもホラーに入るのかもしれませんが……。 何にせよ、アヤモリさんの新作執筆応援しています!完成したらぜひ教えてくださいね! ↓ ●アヤモリケント @ayamori_kenken  返信先: @D2hQjk8P76aXz はい!ありがとうございます!  どうやら、流れとしてはそういうことだったらしい。  確かに、彼が小説を投稿していたスターライツというサイト。最近は、少し女性向けジャンル用のコンテストが開催されることが多かったかもしれない。それが、最近売れる流行ジャンルということなのだろう。  もちろん、そう言う作品が好きな人は何も問題はあるまい。が、まったく異なるジャンルを書いている者達からすれば、自分達が書けそうな内容のコンテストが開催されない!つらい!と思ってしまうのも無理からぬことであるのかもしれなかった。  最終的に皐は、小説家になりたがっていたことを知っている。  作家になるための一番わかりやすい道筋は、公募やコンテストで受賞することにあるだろう。  勿論作品を投稿しているだけで編集者に見て貰える可能性はゼロではないし、そこから拾ってもらってデビューした人もいるにはいるのだろうが。残念ながら、プロの編集者が投稿サイトに投稿された小説全部を読んでいるはずもない。ものすごい物量なのだから実質的に不可能と言える。最初に読んで貰えるかどうか?というところに大きな運要素がある以上、投稿だけして拾い上げを待つのは現実的ではないのだ。  だからこそ、公募の存在は大きいと言える。  男性である皐には書けない作品ばかり求められる――それを悩んでいた時、声をかけてきた何者かがいた、ということだろう。  同時に。 ――なんだかな。  少しだけ、柾は寂しい気持ちになってしまったのだった。 ――お前、家族相手には……あんまり喋らなかったし。結構暗い顔、してることも多かったのにさ。ネットでは、こんなにいろんな人と、普通にお喋りしてたんだな。  Twitterの中で見える皐と、アヤモリケントの言動が繋がらない。これが、本当の皐だったということなのだろうか。本人が教えてくれたアカウントなので、これが皐の者であるのは間違いないというのに。  自分は、彼に兄らしいことができていなかったのだろうか。信頼できなかったから、タヂマなる人物のことも教えて貰えなかったのだろうか。  今更そんなことを考えても仕方ない。分かっていても、虚しさを感じてしまうのはどうしようもないことだった。
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