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ていうか、投稿時に作品ページを開くのだから、見るなと言うのは無理があるというものである。
それで、中身を確かめてみたのだが。
「俺、あいつの小説いくつか見させてもらったことあるんだ。ラノベが結構多かったかな。ホラー書いてるとこなんか見たことがなくて驚いたよ。しかも、ラノベ系っていうより、文芸系のホラーつーの?それも結構怖くてグロいかんじの」
想像がついてないであろう悠月に、柾はにやりと笑ってみせる。
「今、悠月に見せたのは全然グロくないところだからね。このあと主人公は、この女の人のオッパイを両方とも切り取って持ってっちゃうんだよ。で、当たり前だけど昏睡状態のまま両胸切り取られて放置された彼女は出血多量で死亡。まあ、肋骨露出するレベルで切り取られて生き残れるはずもないと思うけど」
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!え、弟くん、そういうの書くタイプかよ!?」
「そうじゃないから驚いてんだって!ていうか、文体も前に読ませてもらった弟の作品とはだいぶ違うんだよな。なんか、別人が弟に書かせて投稿させた、みたいな違和感があってさあ」
この物語の続きもなかなか凄惨なものだった。
とある田舎の村で、一人の男が狂気に目覚め、次々女性を殺害していくと言う虐殺系ホラー。狙われたのは、ほとんどが若くて美しい女性ばかり。彼女たちはみんな眠っている間に乳房を切り取られて殺されていく。途中で目覚めてしまった者はより悲惨で、もっと残酷な拷問に晒された者もいるほどだ。
最終的に犯人は夜の闇に笑いながら消えて行って、話が終了する。これで完結だったのか、あるいはまだ続きがあったかは定かでないが。
「後味最悪で、どこまで行ってもグロいし狂ってる話だったんだけどさ。……問題はここからなんだ」
柾は声をひそめて、悠月に言った。
「実さ。……三十年くらい前らしいんだよ。この小説と、そっくり同じ事件が起きて、迷宮入りになってるらしいんだ」
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