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<1・小説。>
彼女は何も知らず、ぐっすりと眠っているようだった。
まったく不用心なことである。この村では、玄関に鍵をかけない家も少なくない。縁側から、当然のように隣人が入ってくることも珍しいことではないようだ。都会では考えられないことだろう。そのせいでこうして、俺のような人間に易々と侵入を許してしまうのだから。
布団の上に横たわったその体は、なんとも艶めかしい。
少々パジャマのサイズが合っていないせいで、パジャマのボタンがはじけそうになっている。白い胸の谷間が実に扇情的だった。
しかもブラジャーを身に着けないタイプであるからだろう、ピンク色のパジャマから、乳首がはっきりと透けている。あのボタンを引きちぎったら、きっと勢いよく飛び出して、まるでイチゴのような愛らしい果実を晒してくれるに違いない。
じりりりりり、とこんな時間でも関係なく外では蝉が鳴いている。この村の夏は、暑い。ましてや、彼女のようにエアコンもつけずに寝ていればそりゃあ寝苦しいに決まっている。タオルケットを蹴っ飛ばし、紅潮した顔にはうっすら汗を掻いている女性。ああ、なんて扇情的なんだろう。
股間に熱が集まるのを感じていく。
どこか苦しそうにも見えるその顔が、セックスの快楽にふけっているようにも見えてくる。あるいは、あまりの絶頂に意識を飛ばした直後だろうか。いずれにせよ、この美しい女が頂点を極めて意識を飛ばした時はこんな顔をするのだと思う。そういえば、まだ処女だったのだろうか。まだ二十代、まさに美味しい盛り。その純潔をこの場で散らしてやるのも、まあ悪いことではない。
が、今回は我慢だ。性交渉よりもっとキモチノイイ行為が、この先に待っているのだから。
『ふっ、ふっ、ふっ……』
俺は荒い息を吐きながら、彼女の傍に座り込んだ。そして、彼女が起きないように気を付けながらその口元に布をかぶせていく。
睡眠薬と麻酔薬を混ぜた特性のオクスリ。これを吸ってしまえば、簡単に目覚めることはない。目覚めたところで、声を出すことは叶わないだろう。例え、その体がどれほどの苦痛を感じていたとしても、だ。
ゆっくりと彼女のボタンを外していく。引きちぎってしまいたいのをギリギリのところで堪える。
ぷつ、ぷつ、ぷつ。
ボタンを外せば思った通り、極上の肉が胸元からまろび出た。真っ白な乳房のてっぺんで、大きくてぷっくりとした可愛らしい乳首が揺れている。じゅるり、と涎を飲みこんだ。なんて美味しそうなんだろう。つんつんと指でつついていれば、体は正直なのか、徐々に乳首が大きく赤く腫れ、勃ち上がってくる。
『ふ、ひひひひ……じゅ、純粋な顔してよ。この淫乱女め……』
多少声を出してもバレないだろう。彼女の両親は、今日は家にいないのだから。
俺は口を大きく開けると、その乳首をべろりと舐めた。
『んっ……』
感じ入ったような、微かな声が聞こえる。やはり眠っていても、胸をいじられるのは気持ちがいいことなのだろう。気を良くして、俺は何度も彼女の血首をなめ、胸をもみしだき、噛みつく行為を繰り返した。最終的には彼女の体がびくびくと痙攣し、弛緩するまで。
胸だけでイったのだ。ああ、なんて愉快なのだろう。そして、なんて哀れなのだろう。
眠っている彼女は気づいてもいないのだ。それが、女として最後の絶頂であることなんて。
『可哀想に』
にやにやと笑いながら、俺は包丁を振り上げた。
『可哀想になあ。まだ、処女だってのに』
刃が柔らかな乳房に埋まっていくのを、俺は恍惚と見つめていたのだった。
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