通り雨の後

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 帰宅途中雨に降られ。帰り道にあったコンビニに駆け込んだ。  五分と経たずに雨が止んだので、胸を撫で下ろして外に出たのだが、目に映る光景が異常だ。  短い間ではあるがそこそこ強い降りだった雨。そのせいで辺り一面が濡れている。なのに一か所、雨が降り出す前同様に乾いている部分があった。  雨の様子を見るためにずっと窓の外を見ていたから、元々そこには何もなかったことを俺は知っている。なのに店舗から出たら、この通り、そこは雨をよける何かがあったかのように乾いているのだ。  気になってその場に向かってみたが、透明な何かがある訳ではなかった。  少なくとも、雨が降っている間はここにいたらしき『何か』。  この先も、俺にはそいつの姿は見えないと思うけれど、今回のように、ひょんなことから気づいてしまうことはありそうだ。  でも、たまたま今回はもういなくなっていて助かったけれど、気づかれたという理由で害しようとしてくる可能性は否めないから、今後は雨の後、今日のような乾いた場所を見かけても、努めて見ないふりをしていこう。 通り雨の後…完
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