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僕は、自分に自信がなかった。
それは、これといって特徴がないからだろう。
身長も平均的だし、運動神経も普通。黒縁眼鏡が賢そうに見えるみたいだけど、成績も中の中。
こんな面白みのない僕が、誰かと付き合えるわけがない。
そう思っていたけど、僕は思い切って告白をした。
受験シーズン真っ只中の、高校三年生。
高校生活に後悔を残したくない一心で、ずっと好きだった雪乃ちゃんに告白をした。
告白した瞬間、申し訳なさで一杯だった。僕なんかでごめんという気持ちで溢れていた。
どうせフラれる。フラれるのも良い思い出になる。
そう考えていたのに……奇跡的に告白は成功したのだった。
僕は生まれて初めて、彼女という存在を手に入れたのだ。
弾けるような高校生活。
受験勉強という地獄な期間も、これで跳ね除けることができると思った。
しかし、そんなバラ色の感情は、僅か一週間で崩れ去った――。
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