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「冰君、よくやった! ダイジョブだったか?」
「紫月さん! はい、なんとか……。それよりもすみませんでした! さっき思いっきり失礼なこと言っちゃって」
冰は二人に対して暴言を吐いてしまったことを謝ってよこした。
「いいってことよ! 俺たちゃ冰君の作戦だって分かってたしさぁ。上手くノッてくれて助かったぜ!」
「紫月の言う通りだ。それにしても冰、相変わらずに絶妙な掛け合いだったな! 咄嗟のことだってのに、良く調子を合わせてくれた」
何て言って相手を丸め込んだんだ? と、二人は興味津々だ。
「……ええ、まあ。ちょっとその……」
冰はタジタジながらも手首にはめられていた爆弾というのを差し出してみせた。
「これがある内は動きが取れなかったものですから……。爆弾が仕込まれているそうで」
「爆弾!? ヤツら、こんな危ねえモンまで用意してたのか」
「――ってことは、案外氷川の方にも同じような罠を仕掛けている可能性も考えられるな」
周の方も爆弾を盾にされて身動きが取れないでいるのかも知れない。
「よし、とにかく氷川の元へ急ごう。既に源さんたちが向かってくれてはいるが――」
鐘崎はすぐに待機組の春日野たちに通達を出して呼び寄せることにした。
「この人たちはどうしますか? ここに残していくわけにもいきませんよね?」
足元で転がっている二人を見下ろしながら冰が言う。
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