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「と言って、このままあんたらに殺られちまったんじゃ元も子もないでしょうが。それよりはガッポリ入るあの莫大な財産を手にした方が利口ってもんだ。正直惜しいには違いないけど命あっての賜物だからね。金でカタをつけてやろうって言ってんの! それに――なんと言っても周焔の財産だぜ? 例え一割だって相当な額だ。一生遊んで暮らせるぜ?」
男たちは七割方気持ちが動いたようだ。
「本当だな? 本当に遺産を分けてもらえるんだな?」
「もちろんだよ。約束する! 僕だってもう危険な目に遭うのは懲り懲りなんだ。周焔から解放されても、あんたらに追っ掛け回されたんじゃ今の二の舞だわ。だから約束は必ず守る! そん代わり、金を受け取ったら僕とあんたらは赤の他人だ。その後はお互いに干渉しねえって約束してくれよ?」
「……いいだろう。お前こそ約束を違えるなよ?」
「了解! そんじゃ商談成立だね。ってことで、とりあえずコレを外してよ」
冰は腕に付けられている爆弾を指差して笑った。
「……よし、手を出せ」
「さんきゅ! あー、安心したー。ほんっと、生きた心地しなかったよ」
グリグリと肩を回しながら伸びをする。
「そんじゃひとまずあの二人をやっつけよっか!」
鐘崎と紫月のやって来る方向に視線をくれながらニヤりと笑ってみせる。
「あ、ああ……そうだな」
「僕が上手く呼び寄せるから、あとは上手くやってよね!」
「……分かった」
冰は自分の前に男たちを突き出すようにして彼らの後ろ側に回り込むと、大声でこう叫んだ。
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