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突然その生き物が歌い出したのです。
歌と言っても聞いたこともないような騒音に近い。けたたましい音と呼応しながら叫んでいるだけのようでもありました。
けれど聞いていると体が自然に動き出して踊り出してしまいそうになるのでした。
まるで操られているようです。何かの呪術にかかっているのかもしれません。
「これは‥‥‥神様のお道具なのではないかい?」
「人間が作れるものではないよなぁ」
「今頃、探しておられるかも知れんぞ」
慌てて不思議な板を洞の前に置き、少し離れたところから様子を伺って
おりました。
板の中で歌っていた異形の生き物は相変わらずうなったり、わけのわからないことを わめいたり笑ったりしておりました。
突然板の奥の部屋の様子が変化し、若い男(らしき生き物)がしゃべり出しました。
「ニュースの時間です。◎×△大学歴史研究同好会がドローンを飛ばして西乃山を撮影していたところ、山奥の湖のほとりに小さな社を発見しました。社の中には、ご神体を納めていると思われる箱があり、透視映像には現代のスマートフォンに酷似した物質が納められていたと言うことです。近くには、小さな集落の形跡が見られたそうです。今後の解明が待たれます」
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