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いつの頃のことでありましょうか。人里離れた山の奥深くに、小さな集落がありました。
後の世であれば「孤立集落」と呼ばれていたのではないでしょうか。
木や石で作った道具しか使っていなかったようで、当時の文明からも取り残されていたようですね。
集落と言っても、大人も子どもも合わせてもほんの数十名ほどなのです。
おそらく最初は、ふもとの村で何かしでかして追放された者達が、吹きだまりのように寄り集まったのではないでしょうか。
細々と蕎麦や豆などを育て、ウサギやキツネを狩り、何とか生き延びてきたのです。
代を重ね、もはや誰も罪人ではありません。
常に力を合わせ、助け合わなくては生きてこれなかったのですから。
むしろ統率のとれた、大家族のようになっておりました。
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