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ブゥーーーーーーン。
Oh…………ドローン……。
それも、障害物センサーと赤外線カメラを搭載した軍事用ドローンって、たかが子どもの監視に明らかなオーバースペックだろ。
コレ、ちゃんと国土交通省の許可とってる? 航空法に違反してない?
ドスッ!! ドスッ!!
あ゛あ゛あ゛あ゛そんなに急がなくていいって、石の山デストロイするの大好きかよ。もっと他に趣味を持とうぜ。
てか、怖ぇぇぇぇ~~~~!!
コイツ、本当に石の山を壊しに向かって来てるんだよね?
殺気しか感じないんだけど? 絶対これまでに何人か殺してるって、目がマジだもん。
だ、ダメだ、これじゃ間に合わない……っ!
ススッ――――。
「えっ……?」
無気力な人形のように思えた子ども達が、鬼の進行方向へと割って入ってきた。
まるで、あと一歩で完成する石の山と俺を守るように。
「な、何で……」
「………………き、君、は」
最後尾に立つ子が、ゆっくりと口を開く。
「俺達にとって、唯一の、希望……だから」
小さく弱々しい、掠れた声。
でも、確かな意志と強い覚悟を感じた。
「お、お前達……!」
グッジョ~~~~ブ!
想定の斜め上を行くファインプレー。あわやホームランの打球をフェンスよじ登って捕球するレベル。
しかも、これなら自然な流れで俺が最後の石を積むことが出来るじゃないか。マジで皆ブラボーだよ。
バシーーン! バシーーン!
子ども達が次々と鬼に吹っ飛ばされる中、俺は完成まで残り僅かとなった石の山を急いで積み上げていく。
お前達の献身的な行動、託した想い、無駄にはしないぜ。
後は俺に任せて、せめて安らかに眠ってくれ。すぐ死に戻るだろうけど。
もう少し、もう少しで出来上がる……っ!
――――よし、あと1つ積めば完成だ!
「これで俺は成仏できるっ――――――」
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