1. 私のお世話係!?

1/13
前へ
/160ページ
次へ

1. 私のお世話係!?

桜の花びらがひらひらと舞い散る、4月上旬。 高校2年生になって、数日が経ったある日。 「ねえ。先日の実力テストの結果が貼りだされてるよ」 「ほんと!? 見に行かなきゃ!」 廊下を歩いていた私の後ろからそんな声が聞こえ、女子数人が廊下を駆けていく。 私が通う学校では、テストの成績上位者20人の名前が、廊下の掲示板に貼りだされるのだけど……。 「わあ。今回も、京極(きょうごく)くんが1位だって」 「すごーい。さっすが王子!」 成績表が貼られている掲示板の前は人だかりができていて、掲示板を見た女の子がキャーキャー言っている。 そんな彼女たちを横目に、私も掲示板を見上げる。 【1位 京極蒼生(あおい)】 すごいなあ、京極くん。また1位だなんて。 入試もトップだったし、定期試験でも1年の頃からずっと学年1位をキープしていて。 その上、彼はイケメンで大財閥の御曹司でもある。 ちなみに、私・宮崎(みやざき)絃葉(いとは)の成績は10位だった。 私が通っている宝生(ほうしょう)学園は日本有数の進学校で、財閥や大企業社長のご息女も通うようないわゆるお金持ち学校。 私は将来のために必死で勉強して、一般入試を勝ち抜いた。 少しでも良い大学に入りたくて、私なりに日々勉強を頑張っている。 「あっ、噂をすれば蒼生くんだよ!」 隣の女の子の声につられて後ろを振り返ると、廊下の向こうから京極くんが歩いてきた。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

214人が本棚に入れています
本棚に追加