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異変を感じたのは、玄関を出たときだった。 高階彰斗はスマホで曜日を確認し、いつものように可燃ゴミの袋を持って、出勤しようとした。 ふと、視線を感じる。 目を遣ると、隣の山本家の奥さんが同じようにゴミを出すところだったようで、彰斗は軽く会釈をした。 すぐに駅に向かうべく足を踏み出したのだが、視界からはずれるぎりぎりまで、奥さんが自分のことを凝視していたような気がした。 振り返って確認するのも自意識過剰な気がして、少し自身の身だしなみを気にしつつ、そのまま歩を進めた。 「…うん?」 ゴミをアパート近くの集積場に置いて、通りに出る。違和感は口から疑問符となって出てきた。 同じように出勤やら登校やらで何人かひとがいるのだが、やたらに見てくる。 顔に何かついているのか、服に穴が開いてるのか、彰斗も自分の体を見るが、見当がつかない。 「あ、あのっ、すみません!」 二人連れの女子高生が駆け寄って来て、面食らう。そこに負の雰囲気などはなく、むしろ嬉しそうな表情で、声をかけてきた方の女の子が続けた。 「いっしょに写真撮ってもらっていーですか?」 「え?」
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