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約束
今まで、池見ちゃんから嫌がらせを受けてたのに、結局仲良くなっちゃった。お母さんは、昔私みたいになれなかったのかな。
そう思っていた夢は池見に心配されていた。
「夢?どうしたの急に黙り込んで」
「え?あぁいや、こんなに楽しい時間を過ごせたなんてラッキーだなーって思って」
「そうかな?」ときやが首を傾げて言った。
「でも、あの日はびっくりしたよ。夢ちゃんが魔法使えるだなんて」
「わかる、急に魔法って、びっくり」
「そう?」
「そうって、まさか三人とも知ってたの!?」
春菜と和也、れいは笑顔で頷いた。池見は夢を見た。
え、なんで見てくるの?私なにか悪いことしたかな?ずっと黙って皆の会話を聞いてただけなのに。
「夢ちゃん、春菜たちに魔法のこと伝えたの?」
私は池見ちゃんから目をそらして頷いた。
「そうなんだ」あれ、意外とあっさりだったな。責められないでしょう...
「なんで私に教えなかったの?」んー、全然あっさりしてなかった。逆にプレッシャーを感じる。
「夢が僕達に魔法のことを教えたのは、カレーの出来事の日だったから」れいが代わりに説明してくれた。池見とときやは理解したように何回も頷いた。夢達皆は、黙り込んだ。
やばい。なにこの微妙な空気。なにか話さないと。
「ね、ねぇ。皆で約束しようよ」私は思い切って皆に言った。
「何を?」
「え?」
「いや、え?じゃなくて、何を約束するの?」
「あぁ、えっと」私は続けた。
「一つ目の約束は、魔法のことは黙っておくこと。」
「ほう、二つ目は?」
「二つ目は、春菜・和也・れい・ときや・池見、そして私を入れて六人。この六人、ずっと仲良しでいて楽しい時間を過ごすっての」
私はドヤ顔をして言った。皆は静かだった。
あれ、なんで皆静かなの?なんか言って、だれか。
誰かー!なにか言ってよ!
「いいじゃん、賛成」
「俺も!」
「賛成」
「僕も良いと思うよ」
池見以外が答えた。
「池見は?」ときやが訪ねたが、池見は何も言わなかった。それは、まるで、池見だけ時間が止まったようだった。
「おーい、池見は賛成なの?」
「夢ちゃん、私と一緒にいて大丈夫なの?」池見は言った。
......きっと、今まで私にしてきた嫌がらせを気にしているのかもここはなんとか!
「もちろん!池見ちゃんも一緒にいたほうがいいじゃん!ほら、多ければ勝ちっていうじゃん!」私は笑顔で答えてあげた。
「あ、夢ちゃん。多ければ勝ちじゃなくて、多ければ多いほど良いじゃない?」
れいが割り込んで言ってきた。しまった!言葉、間違えちゃった。ここは、知ってたふりして...
「そう!よ...よく気づいたね!誰か気づくかどうか試してたんだぁ。アハハハハ」これくらい言えば皆気にしないでしょ!
「夢ちゃん、これくらい言えば皆気にしないでしょって思ってるでしょ?」
え?なんで私が思ったこと知ってるの?まさかれい、エスパーだったりして。怖っ!
「え?れい、なんで知ってるの?まさか... れいはエスパー?」
ここは確かめないと。
「そんなことないよ、夢ちゃんの笑い方でわかっただけ。人の笑い方で考えてることがわかるのやばっ!」
私はびっくりしたが、あまり気にしないようにした。
「結局、さっきの約束のことなんだけど...」
「それ、皆で」
「約束しよ」和也とれいのタイミングが合った。
「うん!」夢達六人の声が揃った。
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