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隼人は幼馴染みだけど、ご近所さんだけど、いつからか疎遠になった。小学校までは、一緒に下校したり、会えば遊んだし、お喋りもしたのに。
二人を隔てたのは、たぶん思春期。
格差を意識し始めたのは中学時代。勉強はもとより、クラブ活動の成績でも差をつけられた。また、隼人の整った容姿も、私を遠ざけた原因である。
劣等感に苛まれた私は彼を避けて、そのくせ遠くからいつも見つめていた。
子供の頃の、優しい隼人。一緒に日暮れまで遊んで、かくれんぼをすれば、いつも一番に私を見つけて、鬼ごっこではいつも私を追いかける。
私もそうだった。
仲良しで、屈託がなくて、楽しい思い出がいっぱいの、大好きな幼なじみ。中学になっても、変わらず好きだったのに……
やがて彼は、私の成績では逆立ちしたって入れない県内一の進学校に行ってしまった。
ご近所ですれ違っても、お互い見て見ぬふり。
悲しかったけど、仕方ない。もう小さな子供ではないし、中学時代に避けたのは私なのだから。
高校のブレザーを着た彼は急に背が伸びて、男らしくなった。
お屋敷の門の前で、同じ高校の女の子と一緒にいるのを見たことがある。分かってはいたが、打ちのめされた。
彼女がいても不思議ではない。あんなにかっこいいんだもの。
その夜は、しょんぼりとして月を眺めた。あの子と結婚するのかな……なんて、先走ったことまで考えて。
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