ダイブ2〜君と運命の一冊〜

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 帰り道の途中。怜と隆将が並んで前を歩き、俺と千聖が後を続く。 「なぁ、千聖」 「何?」 「新作読んだよ。すっげぇ良かった。第二章も楽しみにしてる」 「おう。いつもありがとう」  照れ臭そうに笑う千聖。こういうところを見ると、本当にちぃは千聖なんだなぁと実感する。 「ところでさ、ヒロインの一人の楓のことなんだけど……」  おもむろに、俺は切り出した。 「楓? あぁ、あれは、」 「やっぱり主人公とくっつくのか? それとも、他の子が主人公とくっついて楓は別の男とくっつくのか?」 「え、何でそんなこと」 「いいから教えてくれ! 気になって夜も眠れないんだよ!」  俺の並々ならぬ熱意を感じたのか、千聖はスッと真面目な顔になる。 「まだ分かんねぇよ。俺の場合、書いてるうちに登場人物が勝手に動き出すっていうか」 「そ、そっか」 「まぁそこも含めて楽しみにしててくれよ。今回は俺も、今までで一番本気で書いてるからさ」  俺は仕方なく「分かったよぅ」と返し、しょぼくれた。千聖が弱ったというように頭を掻く。  その後、何を話すでもなく、たこ焼き屋に着くまで黙々と歩き続けた。そんな俺たちを怜と隆将は不思議そうに何度もチラ見していた。
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