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窓から外を見ると登山帰りらしい人たちの姿は見えた。
「ここは山のそばか」
彼の家は山のふもとにあった。
彼の書いている小説は山場を迎えていた。だが山場を書いているつもりなのに山場になっていなかった。小説の谷の部分ばかり書いていたので山の部分が書けなくなってしまったようであった彼はあせった。あせったついでに彼は自分に対して怒った。
それから少し考えてみると一人で怒っているのだから、おかしいなと彼は思わず笑ってしまった。
山場が書けなければ意味はないと彼は悩んだ。小説には山場は必要だと彼は信じ切っていた。どういうことが理由なのかは彼にもわからなかったが彼はそういうものの見方をしていた。
彼は気晴らしに散歩に行くことにした。
外を歩いているといろいろなことが思い浮かんだのだ。これなら書けると彼は気分よかったのであった。
路上でタバコを吸っているとんでもない若い男に出会ったが彼は無視して歩いた。
コンビニエンスストアに来たので、そこで何か買おうかなと彼は財布の中身を確認してみたのだ。
これなら買えるとアイスクリームを選ぶことにした。
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