5 全部取り戻す (マキシミリアン視点)

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5 全部取り戻す (マキシミリアン視点)

私は生まれたときから体が弱く王位継承権を持ちながらもまわりから軽んじられていると感じながら育った。 第二王妃の子とはいえ王家の第一子として生まれた私は母からは将来の王としてたつ期待を受け、帝王学を授けられてはいた。だがこの国にある瘴気のせいで生まれつき身体の弱い私を王太子としてふさわしくないと見る者たちも宮廷にはおり帝王学を学びながらも将来についてあきらめた気持ちになることも多かった。王家に生まれたものの役目として好きな相手と結婚できるとは思っていなかったし、それ以前に成人まで生きていられると思っておらず結婚のことは私の人生に無いものとして考えていた。 私と違い5歳下の弟レオは生まれた時から元気いっぱいで、侍女たちが止めても外で駆け回っていた。そんな彼を羨ましいとは思いつつ血を分けた兄弟ゆえかわいらしく思い、体調の良い時は本を読み聞かせてやったりしてかわいがっていた。 だが母は隣国の王女、よそ者を嫌うこの国の教会の者たちにははなからよく思われていなかった。しかも生まれた私の目は片方ずつ違う色をしていて生まれた時から不吉だ不吉だと奴らは騒ぎ立てていたらしい。 私の身体が弱かったこともあり弟のレオを王太子にと望む声が強くなっていくに従い、私の中に弟を妬ましく思う気持ちが生まれた。 祖国を離れ母の生家に預けられてからは、なぜ?どうして私の身体はこんなに弱いのか?なぜ弟だけが?と病のために熱をだし床に伏す度に怨嗟の念を持つ醜い自分をうとんでいた。 だが私が健康を取り戻せたのはひとえに祖国の聖女ユーリアのおかげだった。 この世界にある瘴気を払うことのできる唯一の存在は己の国だけでなく隣国の民のことまで気にかけるほど慈愛に満ちているらしい。この国にまで祈りの巡礼に来るという話を聞いて平民たちに混じり教会の外で彼女を待った。 聖女を名乗り金集めをする輩もたまに現れる、今回もそのようなものかもしれないと思いつつ、祖国を離れても病に取りつかれ死に行く私はだめもとで足を運んだ。 カイジンレツザイと叫びながら不思議な舞をする彼女。 今度の聖女も偽物かと聴衆がささやきあう中彼女が地面に拳を叩き込んだその時疾風が駆け抜けた。 は? どよめき驚く聴衆に向かいほほえみと踵を返す彼女の後ろ姿に歓声が上がる。 ただびとですらわかる程に辺りの空気が澄んでいた。 「お体は?」従者が私の体調を気遣う。 「すごい……」 風が吹き抜け、先ほどまで重かった体が一気に軽い。私の体内に溜まっていた瘴気が消え体が本来の力を取り戻し始めていた。 「お礼を言わなければ」 従者と聖女を追ったがすでに次の巡礼地へと出立してしまっており直接お礼を言えずその気持ちは手紙にしたためることになった。 それまで生きるのだけで精一杯だった私はその時から今までの分を取り戻すために鍛錬し通常の男子よりも成長した。 そして体に英気が満ちれば己の本来の取り分を欲してしまうのが凡人というもの。 国に戻り王太子として聖女の側にありたいと願ってしまった。 なんとか彼女ともう一度会いたい、そう願っていた私に届いたのは弟と聖女の婚約の知らせ。 がつんと殴られたような衝撃に打ちのめされる。 レオは王太子の位だけでなく私の思い人まで…… 私は本来私がいるべき場所を奪った弟を妬ましく思いはじめた。 それでも彼女を大切に扱ってくれていれば、私も我慢していただろう。 だが新たに聖女が現れ弟の恋人としてふるまっていると聞き彼女の不遇を知ることとなる。 私の妻だったはずの聖女。私の国だったはずの祖国。 取り戻す。 それからは期を狙うため母国の情報を得るために忍び込ませる手のものを増やした。 優しい彼女がまた巡礼の旅にでるという知らせが届いた。 忍び込ませていた手のものに指示を出した。 すこし乱暴ではあるが国境の崖から彼女を落とし助ける手筈だ。 もうすぐ君が僕の元に落ちてくる。 可愛い弟のことだだなんて忘れさせてあげる。 幸せにするよ。 ★★★ 久しぶりに会えたユーリアはすこしやつれていたようだ。川で冷えた身体を温めるためには人肌が一番だと寝台に寝かされた彼女を抱き締める。薄い肌着越しに感じる柔らかな肢体に我慢ができずその唇に軽く口づけを落とす。何かを感じたのか閉じた目蓋と微かにふるえる長い睫毛が愛らしい。つい何度も柔らかな唇をついばむように味わってしまった。 さすがにこれ以上は我慢ができなくなると一旦顔を離すと 「…王子様のキスで目覚めるとかベタもベタ」 ふにゃりと笑うユーリアに見つめられた。 「……もっと、して?」 とろりととろけた視線に絡めとられた私は名乗るのも忘れて彼女に深く口づけた。一瞬戸惑いをみせた彼女の柔らかい舌が私の舌に伸びからみつく。味などないはずの唾液を甘く感じすする、二人分が混ざり合い溢れるそれを彼女に渡せばこくりと喉をならし飲み込む姿に腹の奥から狂暴な熱が起こる。今すぐ暴れだしたいと騒ぐ分身から気を反らせ、手をユーリアの乳房にのばす。こぶりな柔い胸の先で淡いピンク色の乳首が固くたっているのが可愛らしい。肌着越しにそれをつまんでなめて転がしながら夢中で味わっているとくふんくふんと鼻をならしながら腰を揺らしている彼女の様子に気づく。 茂みの奥がうづいている様子に下履きに手を掛ければひんやりと濡れたそれに気づいたのか真っ赤な顔で抵抗してくる。それでも私に向けられた視線は期待を否めないほど欲に潤んでいるのだからかわいい以外の言葉がない。 「好きだユーリア」 驚いたように喉をならした彼女と見つめ合いながら茂みの奥へ手を伸ばせば水音がたつほどに愛液があふれていた。 「嬉しいよ。感じてくれたんだね」 ゆっくりと指を上下させるとびくりと腰が跳ねる。 敏感な突起を指先で数回摘まみ擦れば目を閉じてひゃぁと震える。 「強すぎた?」 弟にはここをあまり可愛がられていなかったのだろうか?こすこすと突起をすれば徐々に固くなる花芽が顔を出したので口で可愛がることにする。 嫌がる足を大きく開かせれば恥ずかしいのか顔を背け目を合わせてくれない。嗜虐心がうずきわざと音がたつようにあわせから溢れる愛液を舌ですくい上の花芽までなめあげる。 ひぁっと息を止めた彼女に構わず花芽をチュプチュプと唇で可愛がりつつ軽く歯をたて刺激すればさらにとろりと溢れる愛液が私の顎を濡らす。 「あ、だめ」 「っ」 顎を上げのけぞった肢体がふるふると震えた。はぁはぁと息を上げた彼女の視線が虚空をさ迷い最後に私の元へと戻った。 「初対面のイケメン王子にクンニされるなんてここはエロゲなんですか?すごい夢」 刺激が強すぎたのかおかしなことを言い出した彼女に先に進んで良いものかためらったのは一瞬。 「ま、いっか夢だし。据え膳ね。かっこいいしちゅーも気持ちいいから。でもはじめてだから優しくしてね」 『はじめて』だと、その言葉に奮い立たない男がいるだろうか? それからは二人とも熱に犯されたように求めあった。 奥まで穿っても十分に解された腹は痛みを感じなかったらしい。何度も気をやった彼女は疲れはてたのだろう私が最奥で果てた時に気を失った。 翌日全く覚えてないふりをする彼女に私は深く傷ついた。平静を装って彼女をここに留め置く芝居を打ったが彼女は私のことを歯牙にもかけない様子。汚れなき聖女として振る舞う彼女にどんなに時間がかかろうと絶対に落とす、と私は心にきめた。 と、いうのに何故か彼女から夜這いをかけられた。髪のことを怒りながら埋め合わせに気持ちよくしろと言う。最奥で熱を放っても満足せずもっともっととねだる彼女が気を失うまで抱き潰すと仕事に出なければならない時間になっていた。眠ったままの彼女を清め寝台に戻し夕食時に顔を会わせればまたよそよそしい聖女の仮面をつけた彼女がいた。腹立たしい思いで夕食を終えれば深夜にまたユーリアが私の部屋に訪れる。明け方部屋へ眠ったままの彼女を送れば再び夕食ではそっけない態度の彼女。だというのに数刻すれば閨をねだりに来る。 そんな日々にどうやらユーリアは夢遊病と呼ばれる病らしいと侍女達が気づいた。私がつけた鬱血跡を虫刺されだと思い部屋の衛生面に怯えているらしい。 可愛らしい勘違いだがどう話したものか。 そろそろ膨らんできたまろい腹に口づけを落とし一考する。 寝ている間のことを忘れるなら起きている間に抱けば良い。そう実行した私はユーリアに強姦魔とよばれ泣く羽目になった。
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