はじまりは黒から

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顔を上げて空を見る。本当に変わらない1日だから、何をしようか迷うほどになった。義務教育はなくなったし、学習面では何もしたくないので散歩でもしようかと外に出た。あぁ。どこも黒くなっている。人も草も。建物は白い光が反射している。全く興味がわかない外だ。昔ながら裏切らない友達に連絡を取った。 数分後、真っ黒な彼が来た。 「お前今日はどうしたんだ」 黒い奴らを見ると正直周りの人の声がうるさく感じる。でもこいつは違う。 黙っているとこいつから話しかけてきた。 「今日はどうしたのって聞いてんだよ。」 「いや、暇だなぁって思って。」 「…お前欲望とかないのかよ。本当にやりたいことは?」 「」 これが精一杯の欲だ。彼女さえいれば何かと将来助かると思っている。 「…やっぱ彼女だよなぁ〜」 と、共感してるかのように手を肩に置きうなづく。 「お前にいい相手紹介するからよ。また今度でいいか?」 「本当に?」 「お前は疑いやすいなぁ。本当にそうだよ。写真あるよ?」 写真を見てみると、前髪のワンポイントが白くなっているボブの女子が写っていた。 「めっちゃありがとう…。優しいんだね。」 「自称正しいお前とは違って俺は優しいからな。」 当たり前のようにそう言うと、去っていった。
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