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彼女もモノクロ…?
後日、彼女と自称優しい彼と会うことになった。
待ち合わせた所へ行くと彼女が先にいた。
「ほら、行くぞ」
モノクロの世界。彼女は黒いハートを持っていた。彼女なら、心を許せるかもしれない。
「…おーい?」
だが、手が震える。事件妄想が頭をよぎる。
「ごめん。でも、また傷つけたらどうしようって…」
彼は僕を見つめ、考えて言う。
「お前はアレを経験しているから、大丈夫。だから紹介したんだよ」
アレとは何だろうと思いつつ、深呼吸を繰り返す。
息を吐くたび落ち着いてくる。目を開ける。一歩踏み出す。
「あ、あの…」
「…?」
きれいな瞳がこちらを向く。誰かわかったかのように目を見開き、
「あなたが…■■■さん?」
…。いい雰囲気に気づき彼がお手洗いに遠のく。
「うん。よろしく。名前は?」
「あの人は名前を教えていなかったの?ひどいわ。」
彼女は立って礼をする。
「私は白市優知です。よろしく。」
白市さん。彼女は白市と言う名前だった。
「白市さん、か。よろしくね…」
「優知でいいよ。私も名前で呼んでいい?」
「…いいよ。」
優知は息を吐き大切そうにその名前を呼ぶ
「モノクロさん。いえ、モノクロ、?」
…今優知はなんていった。見なくてもわかる。確実に僕は動揺してる。
「僕の、モノクロの世界の名前…」
なんで君が知っているのか。
なんで世界が見える。いや、知っている?
「困っちゃうよね。私も見えるようになったの。」
モノクロの世界を。
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