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第三話 『始まりの時』
『…着いたぞ。』
あの後、もう一度能力を発動させて学園に辿り着いた。人が校門前にわらわらと集まっていて、 入学式はまだ始まってないのに少年は安堵の息をついた。
『とりあえず…始まる前に行くか…』
『…そうだね。』
二人はそれだけ会話すると、 入学式が執り行われる体育館へと向かった。
『…それではこれから入学式を始めます、生徒、起立!』
そんな号令から始まり、間もない内に一人の少女が壇上に上がった。
『それでは、自己紹介をします。私がこの学園の学園長、魂魄妖夢です。』
そう自己紹介をしたのは、白髪が印象的なショートヘアーの若い少女だった。
『学園長?まだ僕達と同年代辺りの子供じゃないか…』
『確かに…生徒側じゃないんだね…』
と、たまたま隣の席になった二人はそうこそこそ話をする。
『確かにまだ若いかもしれませんが、これでも学園長です。学園長に相応しいかどうかは、これからの態度を見て生徒の皆様が判断してください。』
『…それにしてもなんか、』
演説を聞きながら少年は疑問を持った。
『どこかで見たことがあるような...』
『まぁ...気のせいだろう。 記憶にも全くないしな。』
少年は違和感はあったが気にしないことにした…その方が良いと、何故か本能が語りかけてきたからだ。
『 それじゃあ…次はクラス発表か。』
少年は少しワクワクしながらクラス表を見た。
そこには、様々な面子が揃っているのが受け取れた。 にしても……
『なるほど……僕は一組か…げっ。あの筋肉馬鹿(愛奈)も一緒か…どうやって乗り切ろうかな…』
そう少年が腕を組み唸っていると…
『あ、君があの月華鈴かい?思った以上に華奢なんだね。』
そう背後から甲高い声が聞こえた。その声のする方を振り返ってみると…そこには、金髪の少し長い髪が特徴的な、活発そうな少年の姿があった。
『俺の名前は金剛真、気軽に真って呼んでくれ。』
そう言って少年はこちら側に手を差し出してきた。 握手を求めているのだろうか。
しぶしぶ差し出してきた手を握ると、 少年は笑顔を浮かばせながら
『にしても本当に華奢だなぁ... もっと厳ついものかと思ってたけど…まぁ会えて光栄だよ! " 現代最強” と言われる君に会えるなんてさ 確か前の代の最強能力者もすごく強かったって聞くけど…でも君も強そうだね!』
一人でペラペラ喋ってるなぁ……話し上手は聞き上手っていうけどこの人はあまり聞くのは得意ではなさそうだ。だがその喋りかけてくる度胸と好奇心は無駄にはできないので、こっちも返事をしよう。
『じゃあお言葉に甘えて真って呼ばせてもらおうか…まぁ噂らしいから僕は気にしてないけど、これからよろしく。真。』
そうして僕の学園生活が始まった……これからどうなることやら…騒がしくなりそうだ。
やぁ、久しぶり。うん?はじめましてだって?あぁ……確かにはじめましての人もいるな。画面の先の君のことだぞ、君。さてと、何を話そうとしたんだっけか……あぁそうだ。見つけてくれたご褒美に何かをあげるといったことを言っていたな。そういえば。手短に話すと、今君が見ているこの物語は、はたして本物なのか。その意味は捉え方によって変わるだろうし、介錯の仕方によっても変わる。つまり言えば……疑を怠るな、ってところか。時間もないようだし、ここらでお暇するとしようか。では、引き続き閲覧していってくれ。
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