幻想学園第一節 ーThe First Storyー

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第八話『楽しい楽しい学園旅行?in初日前編』 『…さて、もう朝日が昇ってきたな……』 現在の時刻は5時50分。大体の人は校庭に集まっていた。 これから旅行が始まるのかと皆ワクワクしているのか少し落ち着かない様子だった。かくいう僕も少しワクワクしていた。 『そろそろ出発ですよー。皆さん飛行機に乗ってください。』 そう校長先生の声が聞こえた後、僕達はそれぞれのクラスずつ飛行機に乗車し、僕の席は…確か後ろから三番目の左側の座席だった。まだペアの人物は来てないようだ。だとしたら。 『それじゃあ…窓側はもらうとするかな………』 座りながらふと、考えた。 そういえば僕の隣の人は誰なのだろうか。フランによると… 『ああ、隣の席?まぁあみだくじでいいでしょ。バレないバレない。』 なんて言っていた気がする。 生徒会長がそんなのでいいのかと少し疑問を持ったがまぁそれはいいとして。結果はまだ僕も知らされていない。それ故、隣が誰になる のかは知らないままなのだ。 『いやーあっはっはー、ここってポップコーンっていうやつ持ってきちゃ駄目なのか?私こういうの初めて乗るからわかんないだよなー。箒に乗っかって空を飛ぶことはあるけど。』 と、そんな愉快な声が段々こちらに近づいて来て、僕の隣まで来るとその声は通り過ぎることはなく、その声の持ち主はこちらに声をかけてきた。 『おっす。お前が私の隣の席の人か?私の名前は霧雨魔理沙…普通の魔法使いだ。以後よろしく!』 『あ、あぁ…よろしく。』 と、意気揚々に話しかけられたので少し動揺しながらそう反射的に言葉を洩らした。 『横座らせてもらうぜー。よっと。』 そう言いながら彼女は席に座った後も元気よく喋り続けた。 『まさかこれ持ってきちゃ駄目って知らなかったぜ。折角のフランからのプレゼントなのによー…まぁ別に食べてるのバレなけりゃいいんだが。あ、お前も食べるか?』 『あ、一口貰うよ。』 よく流暢に喋る少女というのが第一印象であった。 困惑しながらも一つまみ貰いそれを口の中に放り投げた。 うん。美味しい。僕はかなりの甘党である為こういう菓子は好きなんだ。 洋菓子和菓子もどっちもいけるが辛いものは少し遠慮したい。 と、そんなことを考えていたら…… 『それでは出発しますよー。 ちゃんと座っててくださいね。』 その声がマイク越しに機内に響き、 飛行機は前へ動き出した。 『……ん』 ふと窓から景色を見ていると、 前方に門の様な何かがそこにはあった。 『先生。あの門みたいなのはなんですか?』 朝登校する時にはあんなものはなかったハズだが…アレはなんなのだろうか。 『あぁ……アレはですね…』 そして先生も窓から前方を見て、一拍置いてからまた喋りだした。 『アレはここから幻想郷に行く為に必要なゲートです。普段は幻想郷は幻と実体の境界と、博麗大結界というものによって通れないですからね。その為のこの装置です。所謂時空間転送装置とも言えるかもしれませんね。』 なるほど。アレを潜ったら幻想郷というところへ移動できるという訳か。 『なるほどねぇ……だとしたらこれが故障とかになったら面倒くさいことになりそうだな……』 そう言っている間に、飛行機は門を潜り抜けて空へ飛び立つと、そこには…… 『皆さん、今下に見えているのが幻想郷ですよ。今日は紅魔館という学園を支持してくれてる団体の所に泊めてもらう予定です。それでは紅魔館につくまでゆっくりしていってください。』 『…でさー。それで霊夢のヤツがなー。』 あれから約二十分後。 僕等は船内で気軽く喋っていた。話を聞いてきて知ったのだがどうやら彼女はあの鬼巫女と親友らしい。しかも二人共幻想郷出身だとか。正にお似合いのペアという感じだ。今こうして目の前の彼女も霊夢について良く語っている。羨ましいことだ。 『それでは皆さーん。間もなく紅魔館につきますよー。』 『おっ…もう時間なのか。それじゃあ降りる準備でもしようぜ。』 『そうだな…さ、どんな一日になることやら…』 かくして、 僕の旅行の一日目の幕が上がった。
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