君の背中

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大人の悲しみは 忙殺 に うやむやにされるものである。 けれど、けれども 幼な子の訳の解らぬ嘆きには 胸掻きむしられた。 目覚めや ”ママ" という言葉に 母を切望して啜り泣き… あるときには、狂い泣き… 泣くだけ泣いたら ただ眠る。 そんな時間を何日… 何十日…何ヶ月…… 続いたあたりで 無意識の慰めが 息子の中に根付いたのか いや、情けない顔の この父を憐れんだのか  「よい子にしてるんだよ」 そう言って、僕の頭を        撫でるように。 8acdda2a-f2bf-4160-88b8-4e7e960de733
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