11月11日 ─独身の日─

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11月11日 ─独身の日─

 11月11日。  ポッキーの日ですね〜。(もう3日もすぎてしまいましたが)  あのお菓子、大好きなんです。  日本にいた時は、毎年箱買いしておりました。  いちご味も、アーモンドのトッピング付きも良いのですが、やっぱりシンプルイズベスト。  食べ始めたら止まらない……。  と、話が逸れつつあるので、タイトルに沿った内容に戻します。  11月11日。  癖なのか、気が付くと中国でもポッキーを探し求めておりました。  必要な物を買いにスーパーへ行くと、足が自然とお菓子コーナーへ向かう。  ポッキー、ポッキー……と呟きながら、棚を探しているとあの見慣れたロゴが。  中国では『百奇(バイチー)』と呼ぶらしい。  一緒に消費してくれる家族はいないので、流石に箱買いという無謀な事はしませんでしたが、割と多めにカゴに入れてレジに並ぶ。  レジに並んでいるとふと『光棍节活动』と大きく書かれた張り紙が視界に入った。  『节』を現在日本で使われている漢字に直すと『祭』。何かの祝日であることに間違いはない。  『活动』は『活動』。何かの催し事があることを意味する。  しかし……『光棍』とはなんぞや?  思わずカゴの中のお菓子に視線を落とす。  思い当たるのはポッキーの日のみ。  だが、パッケージにも書いてある通り、ポッキーは中国語では『百奇(バイチー)』。  なので『百奇(バイチー)』=『光棍』であるはずがない。  そうこう考えている内に、前に並んでいた方が会計を終わらせており、自分の番に。  後で調べるかと呑気に考え、お金を払ってスーパーから出て行こうとしたらいきなり後ろから呼び止められる。  振り返ると、『光棍节活动』という板を掲げているお姉さんが、 「祝您早日脱单!」(←後で訳します)  と言いながら可愛いワンちゃんのキーホルダーを渡してくる。 「ん?」  いきなりの事で正直、何を言っていたのか全く聞き取れずにそのまま固まっていると、お姉さんがまた同じ言葉を繰り返す。 「祝您早日脱单!」  そして更に固まってしまった私にキーホルダーを握らせると、また別の客に同じ言葉をかけてキーホルダーを渡していく。
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