動け、俺!

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これは、何だ? この感情は、何だ? 大体、俺に、感情なんてものがあるのか? でも、彼女が泣いている。 彼女は、このままだともうすぐ死んでなくなってしまう。 どうしたらいい、俺は、、。 俺は、彼女を助けることができない。 何故なら、、。 一歩もここから動けないからだ。 俺は、ずっと、意識が生じてからここにいる。 その意識を感じた最初が、彼女の泣き声だった。 風に揺れる。 彼女の花びら。 泣いている。 彼女は、わずかに残った花びらを揺らして、泣いている。 もう、彼女に生きる時間はわずかしか残されていない、、。 俺は、俺は、どうしても彼女を助けたいんだ! 動け! 俺! 動け! 俺! 「臨時ニュースです! 富士山が動きました! 西に一キロも動き、なんと麓の富士山樹木研究所まで移動し、三合目あたりに咲いていたうどんこ病で枯れかけていた一本の桜の木を残して、また元に戻ったそうです! ちなみにその桜の木は、研究所の薬剤によって再生されたそうです! 信じられない臨時ニュースでした!」 end
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