アイサツはただの言葉の羅列

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「小菊っ」 そう言われてふと振り返るとそこには彼女がいた。目が合うと彼女は美しい手のひらを私に見せてくる。 「よっ。」 彼女ははにかんで言った。 「小菊いつもコーヒー飲んでるよね。なんで?」 「どこのカフェにもありそうだと思ったから。」 間違ってはない。最初、選ぶのが億劫で何でもいいと思っていた。だから、カフェには絶対あるであろうコーヒーにした。その次の日からは前日に頼んだやつをひたすら頼んでいた。そんな説明を長ったらしく言えるわけもなく私は一言で返事を済ませてしまった。 そんな事を考えながら彼女の返事を待っていると彼女は歯で口の中を噛み締めながら言う。 「なにそれ。わけわかんない」 そういった途端彼女は堪えられなくなったのか吹き出してしまった。 「今日はさ、このイチゴのやつ。頼んでみない?」 「えっ、でもコーヒー3杯分。お小遣いなくなっちゃいます。」 「お姉ちゃんが奢ってあげよう。」 そう財布を掲げながら言う彼女。「いや悪いですから」そう言おうと口を開く。 「断らないで。お姉ちゃんぽいことしたいだけだから。私が楽しみたいだけだから。」 そういう彼女はお姉ちゃんというよりまるで駄々をこねる妹だ。 「わかった。いいよ。」 食べ終わったら、いつものように勉強する。そう思っていたが、彼女はおしゃべりでそれを聞いていると帰る時間になってしまった。 「門限があるからそろそろ帰るね。今日はありがとう。またね〜。」 「セーラー服。後ろのやつひっくり返ってる。」 「あっありがとうございます。お母さんに怒られちゃいますね。」 私はそう言って私は雨に濡れて乾きかけの家路に向かう。
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