0人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日からユメおばあさんと太郎は、トレーニングを始めました。早朝から森の中を駆け抜けます。それから力をつけられるように、石を持ち上げます。最初は軽い石、徐々に重い石を使います。
ご飯ももちろんたくさん食べます。太郎は少食だったので、ユメおばあさんは何とかたくさん食べられるようにそばで励ますのです。
ふたりが森の小径を走っていると、体の大きいうさぎたちが集まってきて太郎をからかいます。
「あんなチビが何やったって無駄だよ」
「そうだ、今年もトミーが優勝だ」
トミーはこの世界にいるうさぎの中で一番体が大きく、五年連続で大会に優勝している強者です。真っ白く美しい毛並みで、今年も優勝間違いなしと言われています。
ユメおばあさんはうさぎたちに吠えようとしましたが、太郎は首を振ります。
「今はもう少し走らないと」
太郎が何も言わずに走り去ってしまったので、うさぎたちは顔を見合わせます。
最初のコメントを投稿しよう!