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少し前、うちの学校では『創作漢字』が流行していた。
例を挙げるなら、酒編に車と書いて『飲酒運転』とか、こういう奴だ。
漢字の勉強にもなると、教師陣も特に禁止することはなく、学校全体で流行した創作活動。
でもある日からそれは下火になり、今は創作漢字を書く奴は一人もいない。
その、ブーム終焉のきっかけは、誰かが作った創作熟語だという話だ。
なんでも、それを考案した奴も、その熟語を何かの例として用いた奴も、全員原因不明の熱を出し、しばらく学校を休め羽目になったそうだ。
しかも発熱後、その文字のことは忘れてしまっていて、どんな創作漢字を作ったのかは判らなくなったらしい。
でも、熱の話は広まって、万が一にもそんな文字を生み出してしまったらと誰もが恐れ、ブームは下火になった。
それにしても、文字の力で人間に熱を出させられるなんて、いったいそれはどんな創作漢字だったんだろうな。
一度くらいは見てみたい気もするけれど、熱と引き換えはさすがに嫌だから、俺は知らないままでいいや。
創作漢字…完
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