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「私は、その部屋の中に入る気は無いよ。その代わりに、起きて。カオちゃん?」
甲高い声がそう言った。私は、とっさに後ろを振り向く。すると、目の前にはソファで寝ていたはずのカオちゃんが立っていた。
人形が、自分でたった?意味が分からない。
私は恐怖のあまり動けなくなってしまった。
そして、甲高い声は続ける。
「カオちゃんだって元々は人間だったんだよ?人間の魂が、人形に宿ったってだけ。そして、カオちゃんにも魂が宿った。あなたの知らない人の魂ではないはずだよ?その子の名前にもしてるんだから」
「ただいま」カオちゃんが言った。聞いたことのある声だった。
そう、私は自分の子供だった、カオをベランダから落として、殺した。ストレスからだった。
しかし、ベランダの柵は比較的低かったため、警察に事故だと説明すると、その通りこのことは事故として扱われた。
「あなたもぬいぐるみか人形になりたい?」カオちゃんが言った。
その小さな手には包丁が握られていた。
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