帰ってきたよ

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 「ただいま」 外で急に声がした。人間のものとは思えないような甲高い声だ。  そして、ただいま、とはなんだろうか。私は今、一人暮らしだ。ここに帰ってくる人など私しかいない。 「帰ってきたよ」 また、声がした。  誰だ?私の知っている人では無い・・・。 「人が大切にしている物にはね?魂が宿るんだよ?」 甲高い声が何か言っている。何を言っているんだ?  今私の部屋の前に立っている人は、間違いなく危険な人物だ。私は急いで、椅子や机をドアの前に置いた。  これで、甲高い声の持ち主が、力尽くでドアを開けようとしても、私の部屋には入って来られないだろう。  しかし、外にいる人物は無理矢理部屋に入ってこようとはしなかった。代わりに、ずっと何かを喋り続けていた。 「あなたは、私を捨てたでしょ?私だって、ここに来る前は人間だったんだから、怒りの感情くらいあるんだよ?」  人間だった?この声の持ち主は人間では無いのか?全く意味が分からない。 「え?私のこと、覚えてない?あなたが、その後ろのソファで寝転がっているぬいぐるみを買う前までは、私がそのソファで寝転がっていた」    私はその言葉を聞いて、ますます混乱した。今、私の部屋の前にいるのは、少し前に捨てた、ぬいぐるみの・・・ミイちゃん?
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