帰ってきたよ

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 夜の十二時。もうこんな時間か。そんなことをぼうっと考えながらマンションの階段を上がる。「ただいま」 誰もいない部屋に呟いてから、部屋に入る。  私は何の特徴も無い部屋の中で小さなコップを取り出し、水を注いだ。ゴックン。いつも聞いている音だが、一人で聞くと、グロテスクにも聞こえる。  私はだらりとソファに腰掛け、テレビをつけた。音が大きすぎると隣の部屋の迷惑になってしまうので、音量はできるだけ小さくした。  私は静かな空間が大の苦手だ。だから、家に帰った後は、こうしてテレビをつけたり、独り言を呟いたりする。  しかし、それでも寂しさが我慢できないときは、今私の隣にいる、カオちゃんが相手をしてくれている。    私はテレビを眺めている内に、眠くなってきてしまったが、玄関で急に鳴った音で目が覚めた。 ピーンポーン  え?何?こんな時間に・・・。
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