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「取り敢えず買物用っすから、後ろにもカゴが必要だと思うんす」
「あとスカートでも乗りやすいようにフレームの低いのが良いわね、私ロング履く事多いし」
「じゃあこの辺のスポーツタイプは却下と言う事で良いですね」
「あ、あと潮風で錆びない特殊合金製だと言う事ないっす!」
「…すみません…あたしが変なおねだりして、本当にすみません…」
「「「でもデザインはお揃いが良いわよねーー」」」
足の都合で自転車に乗れない猫さん、ハナから自転車に乗れない秋さんとあたしを置いて、他の四人はタブレットを見ながらキャッキャしている…
言い出した美優ちゃんが済まなさそうにしているのが何だか面白いけど
べ、別に自転車に乗れないからって困るわけじゃないし!
猫さんと二人乗りでサイクリング出来るわけでもないし!
想像してみる…仮に猫さんが自転車に乗れたとしよう…じゃああたしは?後ろのカゴの中?逆の立場でも同じだし!
まるっきりペットじゃん!
あたしは頭を振ってその想像を頭から追い出した
「でも今って自転車もカラフルよね〜?あたし達が学生の頃って、こんなに選び放題!なんて事はなかったはずよね〜?ねぇネコ?」
こちらも自転車に乗れない秋さんが合いの手を入れる
「確かに。普通のサイクリング用か今で言うママチャリ、あとそれに内蔵の三段変速機能があるくらいでしたしね。あ、あと後ろに荷台は必須でした」
「あたしネコと二人乗りした事ないけど…」
「だってあの頃は…あ、いえ、特別何でもありません…」
「ほお」
おおっと、秋さんのご機嫌が微妙になった…
と、猫さんは無言で立ち上がりキッチンでお湯を沸かし始めた…
どうやら紅茶か珈琲を淹れてくれるようだ
…単に秋さんの追求から逃げただけにも思えるが
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