メンカラは

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メンカラは

「で、冴香さんがベージュ、美優ちゃんが薄いピンク、ハルがライトブルー、シイがブラックにしたと」 「そうっす!メンカラになったわけではないっすけど、満場一致で揉めることも無く決まったっす」 ハルさんが殊更その大きな胸を突き出して猫さんに報告している ご本人には自覚ないみたいだけど 「自転車四台もどうやって運ぶんです?」 あ、確かに… 冴香さんの愛車はミニだからどう考えても積めない計算になる 「あ、そんなの簡単ですよ?バラして納車にしてもらいましたから、一台分ずつ運べばねー」 「さすがシイちゃん!私一人で行けば運が良ければ二往復で済むもんね!」 「バラして?ちょっとちょっとシイちゃん?誰が組み立てるつもりなの?あたしは無理よ?運転も出来ないのに!」 秋さんが当然と言えば当然の声を上げる あ、もちろんあたしも同じだ、自転車乗れないのに組み立てなんて出来るわけないし! 「あ、大丈夫っす!工具も取り寄せたので、あたしとシイちゃんとししょーで楽勝っす!フィンランドではやってたらしいじゃないすか!」 「え…僕もやるの…?」 何を言ってるんだと言わんばかりの猫さん あたしには猫さんが巻き込まれるのはなんとな~くだけど見えてたけど 「パパ当たり前でしょ!愛する冴香さんと可愛い美優ちゃんの愛車を任せてあげるんだから、少しは感謝してよね?」 「すみません…あたしが我儘言ったせいですみません…」 言い出した美優ちゃんが只管謝り続けているのは何かおかしい… それだけ皆、美優ちゃんの事を大事に思ってるってことよ! ちゃんと国産車にしたみたいだし ん?待てよ?じゃあ四人が自転車で買出しに行ってる間、秋さんとあたしで猫さんを二人占め出来るってことよね? な、なら多少の出資は、許してあげないと この後あたし達は猫さんとハルさんとシイさんが、自転車屋さんか?と見間違うくらいに手際良く、電動アシスト自転車を組み上げる姿に驚き 同封されてきた領収書の金額にもう一度驚く事になるのだった それでも可愛い妹の珍しいおねだりに応えられて、あたしは満足度満点になるのだ
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