上杉明日香をつぶせ

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上杉明日香をつぶせ

「上杉明日香は、朝井悠馬に熱愛中です。朝井悠馬が裏SNSなどで攻撃されていることで、本人以上に、ずいぶんショックを受けています。そして十月のニーチェのコンテスト。悠馬が落ちるところまで落ちれば、二学期の定期テストに必ず影響が出るでしょう」  生徒会長室に戻ってくると、花蘭が口を開いた。  アリスはといえば、アリスの特集が掲載される雑誌のポスターを見つめている。 「もうすぐ期末テストか」  アリスはしばらく考え込み、それから花蘭を振り返った。 「そうだ。一学期の期末テストまでに決着つけられない? ニーチェの論文コンテストは、もともと私の婚約者候補を決めるコンテスト。コンテストの前に上杉明日香が退学しても、なんにも問題ないじゃん」 「会長!」 「コンテストはコンテストとしてサ。もうひとつ上杉明日香にダメージを与えるものすごい計画を考えてくれない。そして期末テスト前に実行して、上杉明日香を地獄へ落とすワケ! ねっ、いいじゃん」 「ええーっ、もうひとつですか? 期末までならあまり時間ありません」 「そうなんで~す。だから天才の美園花蘭様が頼りです」 「会長! そう言われても」 「お願い。二年特進クラス(うち)のクラス委員から連絡が入った。上杉明日香が女子薙刀部への寄付を拒否したっていうの。千円だよ、たった千円。長い時間、女子薙刀部への特別扱いはおかしいとギャーギャー騒いでたってサ。絶対許せないね」  アリスがスマホを花蘭に見せる。それからニッと花蘭に話しかける。 「スィーツの『パリルージュ』のクーポン、花蘭のスマホに送ったから」  花蘭はあわてて自分のスマホをチェックする。 「いいよね。すぐ上杉明日香を追い詰める方法、何か考えてよ」  電子クーポンをチェックした花蘭がニッコリ微笑む。 「分かりました」 「じゃあ決まり」 「追加でソフトクリーム食べ放題のチケットもプレゼントしてくれますか?」
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