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ビールと焼き鳥の盛り合わせをカウンター越しに受け取り、ビールジョッキ片手に四人で乾杯をした。
「え……藤さんと莇さんもバレー部なんですか?」
「そうそう。あ、部活の話は聞いたんだ」
「軽く。私もバレー部のマネージャーしてたんですよ」
がぶり。厚揚げとオクラの串を頬張って、ほんの少し説明をプラスさせると「あ〜……そんな感じか」と、藤さんが何かを諦め「うるさい」と、東雲はカリカリしている。
「(どんな感じ?)」
謎だ。
「部内恋愛とかあったの?俺ら男子校で、マネージャーと恋愛とか憧れだったわ〜」
莇さんから質問され、記憶を辿った。
「あったかな……キャプテンと別のマネージャーの子が付き合ってたのは知ってるけど」
「妃立は?」
東雲が訊ねる。なぜ私の過去を気にするのか疑問だし、それりも、気になることは別の場所にあった。
「逆に東雲はモテてたよね?スポーツマジックかからなくてもビジュ良いもんね」
話を変えると、東雲は藤さんと莇さんへ親指を向けた。
「こいつらのがモテてた」
東雲含めて、だと思う。
「モテてたよ。彼女途切れたことなかったし」
ほらね。莇さんの言葉は分かりきっていた。
「でも、高三の時だけ彼女いなかったけどね」
しかし、藤さんの言葉は予想外だった。
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