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狩人カリマにとって、男たちと野宿することは、なにも抵抗がなかった。幼馴染のマルセルとは、しばしば夜を明かしている。
六人の男勇者たちと雑魚寝しろと言われれば、素直に応じただろう。
しかし、目の覚めるような美男子と狭い部屋に二人きりとなると、勝手が違う。どうしても胸の高鳴りが抑えられない。
(エリオン様はあたしに気を遣って同じ部屋と言ってくれてるだけで、あたしに変なことをしようなんて気はないのに……ばか! あたしなに考えてんの!)
カリマは村長から受け取ったブランケットを、二つの寝台にかけた。
「カリマよ。お前の意志を聞かず勝手に部屋割りを決めてすまなかった」
「あ、いいえ! エリオン様と一緒なんて、全然気にしてません!」
(ば、ばか! 失礼だろあたし、こういう時は、えー嬉しい……じゃ露骨だし、そーだ、光栄ですって言えばよかった)
「本心は、お前に、私の傍にいてほしかった。それだけだ。すまない。私の勝手な気持ちに巻き込んで」
爽やかな青年は寝台に横たわり、ブランケットをかけて目を閉じた。
(えっ! ちょ、ちょっと待って! どーいうこと!?)
少女は混乱の中、眠れぬ夜を過ごした。
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