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「ひっ、ひええええ! た、助けてえええ!!!」
仲間の旅人は、カリマの背後に隠れて縮こまる。
「セ、セオドア! あ、あんた……あ、あ」
剣士の残虐行為にカリマは身を震わせるも、残った旅人を庇いだてる。
「いいから女! どけ!」
途端、広場に喧騒の渦が巻きおこる。エリオンと他の五人の戦士が、村中から駆け付けた。
槍のニコスが高らかに呼びかけた。
「村人は外に出るな! 家に戻って戸を固く締めるように!」
我に返ったカリマは、セオドアをにらみつける。
「あんた、な、なんで、よそもんというだけで殺すのか! 魔王と同じじゃないか!」
剣士は「どけ!」と剣を突きつける。
カリマは震える旅人に囁いた。
「ごめん。あんたに弓教えたいけど、こいつ危ないから、今のうちに逃げな」
旅人の男は「カリマさん、あんたはいい人だねえ」と目を細める。
「そんなこといいから、あれ? あたしの名前、知ってるんだ」
気づいたときは遅かった。
カリマは旅人に羽交い絞めされ、首に短剣を突きつけられていた。
旅人の男は、声を荒げる。
「この女を殺されたくなければ、エリオンを引き渡せ!」
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