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33 誇り高い剣士の過去
夜になり、一行は、開けた草むらで野宿をすることになった。大男のセルゲイとフランツ老人が見張りに立った。
エリオンと残りの戦士たちは火を囲み、昼間の戦闘について語り合う。
カリマは膝を抱えしゃがみ込み、男たちの話し合いに耳を傾けていた。
旅人は、エリオンを狙う刺客だった。
刺客はカリマの名を知っており、弓を習いたいと持ちかけた。彼らは前もって戦士たちの様子を探り、新入りのカリマなら容易く人質にできると踏んだのだろう。
「あ、あのお、エリオン様って、狙われてるの? ネクロザールを倒そうとしているから?」
おずおずとカリマは切り出す。途端、剣士セオドアは目を吊り上げた。
「女! そんなことも分からず、よくも我らに加わったな!」
ホアキンが、口を尖らせた。
「セオドア、そんな言い方ないんじゃないの? こんな女の子が、あたし達の仲間になってくれたのよ。ほらほらカッリマちゃーん、落ち込まないの!」
ホアキンに、赤毛をクシャクシャかき回され、カリマは力なく微笑み返した。マルセルに慰められたことを思い出す。
「ホアキンよ、女だからといって甘やかすな」
狩人の少女は口を引き締めた。
「今回はあたしが悪かったよ。でも、本当に普通の旅人のときもあるよね? あたし気をつけるから、敵とわかってから戦うんじゃ駄目?」
「先ほどお前は、それでは遅いと身を持って知ったではないか! 仮に間違って殺めたとしても、師を失うことに比べれば、いかほどのものか」
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