カスミソウからのメッセージ

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カスミソウからのメッセージ

 陽夏を見送った翌日、私と夫は再びお墓に出向いた。陽夏が好きだった向日葵を供えて手を合わせ、陽夏にたくさんの『ありがとう』を伝えた。産まれてきてくれたこと。パパ、ママと呼んでくれたこと。小さなお手伝いをたくさんしてくれたこと。たくさん笑っていてくれたこと。そして、会いに来てくれたこと。たくさんの思いは言葉だけでは足りないものだった。それでも陽夏が安心してくれるように、少しでも伝わればいいなと思いながら。  ひとつ伝えればまたひとつ、次から次へと溢れ出しては私の中から出ていく陽夏へのメッセージを名残惜しく思いながら、やがて夫の手に引かれて立ち上がりお墓に背を向けたときだった。 『パパ、ママ。陽夏も大好きだよ』  気のせいなんかじゃない。確かに声が聞こえて私も夫も振り向いた。すると、さっき掃除したばかりの墓石の前に白い花が置いてある。  それは小さな小さな花びらをたくさんつけたカスミソウ。  花言葉は、『ありがとう』  
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