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「ただいまぁ」  鍵を開け、ポツリと呟く。 疲れ切ったカスミは、化粧も落とさずにソファに倒れ込んだ。 こんな生活が三年間続いていた。 「疲れたよぉ」  心の声が、全て口から漏れていく。 「そうだ、母さんに会いに行こう」  カスミは自分の部屋に行き、アロマキャンドルに火をつけると、母の人本を読み始めた。  本来人本の近くでは火気厳禁なのだが、ストレス過多のカスミはその判別ができなくなっていた。 「これ、すごくいい香りだなぁ」  カスミはうとうとし始めた。 「母さんも、きっと好きだろうな……」  その後も何かをブツブツと一人でしゃべっていたが、疲れ切った彼女は、人本を本箱に戻すとベッドに飛び込み、眠りに落ちてしまったのだった。
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