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「――カスミ! 起きなさい、カスミ!!」
ぼんやりとした意識の中で、なぜか母の声が聞こえた。
「起きなさい!!」
カスミが目を覚ますと、目の前に母がいた。
「……母さん」
「このままでは死んでしまう! 早く逃げなさい!!」
「でも、そんなことしたら……もう母さんに会えなくなっちゃう……」
その言葉を聞いた母は、しょうがないなぁという顔をした。
「母さんは、いつでもあなたのここにいるわ」
そう言ってカスミの胸をトントンと二回叩いた。
「……母さん、今まで、ありがとう」
――さようなら。
カスミは窓から外へ飛び出した。
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